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ミッションインポッシブル1相関図で完全整理|ヨブの正体と裏切りの構造を解説

ミッションインポッシブル1相関図で完全整理|ヨブの正体と裏切りの構造を解説

夜更かし中の同志の皆さん、お疲れ様です!Netflix中毒の管理人、ヨフカシです🌙☕

現在、午前3時を回りました。コーヒーは3杯目、まぶたの重さは限界突破中。ですが、この作品を語り始めたら脳内アドレナリンが止まらなくなりました。「あと1話…」ならぬ「あと1本…」の魔力、恐るべしですね。

今回深掘りするのは、スパイ映画の金字塔『ミッション:インポッシブル』第1作目。 「トム・クルーズが若すぎる!」「アクション凄すぎ!」で終わらせるのはもったいない。本作の本質は、初見殺しの「超複雑な人間関係(相関図)」と、コードネーム「ヨブ」を巡る緻密な頭脳戦にあります。

「結局、誰が裏切り者なの?」「聖書のくだりがよく分からなかった…」というモヤモヤを抱えている方、この記事でスッキリさせてから安眠してください(あ、私はもう1本観てから寝ますけどね!)。

ミッションインポッシブル1の相関図:敵と味方の境界線

『ミッションインポッシブル1』を観ていて、「あれ、今これ誰が味方?」と混乱するのは、あなたが寝不足だからではありません(笑)。ブライアン・デ・パルマ監督が意図的に仕掛けた、情報錯綜の罠なんです。

イーサンを中心としたチーム関係

物語のスタート時、IMF(国際作戦部隊)のポイントマンであるイーサン・ハントは、チームリーダーのジム・フェルプスを実の父のように尊敬していました。

クレア・フェルプスの肖像画とともに、ジム、クレア、イーサン、仲間たちの初期の信頼関係を解説するスライド

この「強固な信頼関係」こそが、後の悲劇を最大化させる演出になっています。

人物名表向きの役割・関係物語の真実・実際の立場
イーサン・ハントIMFの実力派エージェント。組織を裏切った濡れ衣を着せられ、孤独な逃亡者に。
ジム・フェルプスIMFリーダー。イーサンの師匠。本作の黒幕(ヨブ)。冷戦後の自分の価値に絶望し、組織を売った。
クレア・フェルプスジムの妻。潜入工作員。ジムの協力者。イーサンを監視・欺くために生存を偽装。
サラ/ジャック等プラハ任務の仲間たち。ジムによって仕組まれた「口封じ」の犠牲者。

信頼が前提の関係性とその崩壊

冒頭、チームのメンバーが次々と消されていくシーンは圧巻のトラウマ。イーサンにとって、ジムは絶対的な「正義」でした。だからこそ、ジムが死んだ(と思った)後のイーサンの絶望は計り知れません。この「信じ切っている状態」こそが、観客をミスリードに誘い込む巧妙な装置なんですね。

CIA・諜報機関側の立ち位置

イーサンを執拗に追うCIAの局長キトリッジ。初見だと「邪魔ばっかりして、こいつが悪役か?」と思いがちですが、彼の行動は極めてロジカル。

善悪が反転して見えるスパイの構造

  • キトリッジ:組織内にいるはずの裏切り者(生き残ったイーサンが最有力候補)を捕まえようとしているだけ。
  • イーサン:自分の無実を証明するために、本来の組織(CIA)を敵に回してハッキングや潜入を繰り返す。

この「正義同士がぶつかり合う」構造が、物語の緊張感を深夜のコーヒー並みに濃くしています。

追う側のキトリッジ局長と逃げるイーサン・ハントのイラストを並べ、それぞれの「正義」と視点の違いを対比させたスライド

ヨブとは何者なのか?コードネームに隠された執念

『ミッションインポッシブル ヨブ』という検索ワード、実は本作の核心を突いています。映画の大部分、私たちは「ヨブ」という見えない幽霊を追いかけることになります。

ヨブというコードネームの意味

ヨブ(Job)とは、NOCリスト(世界中の潜入捜査官のリスト)を武器商人のマックスに売り渡そうとしていた「内通者」の偽名。この正体が「あの方」だと気づいた時、私の深夜のテンションはMAXまで跳ね上がりました。

実在しない「第三者」を作る戦略

ジム・フェルプスの天才的な(そして邪悪な)点は、自分自身の死を偽装したことです。「ジムは死んだ、だから犯人は他にいる」と思わせる。イーサンですら、「外部に真の裏切り者がいる」と信じ込まされていました。まさに死人には口なし、ならぬ「死人は疑われない」作戦。

「?」マークが描かれた影の人物と、ジム・フェルプスが自身の死を偽装して作り出した「ヨブ」という架空の第三者について解説するスライド

ヨブの正体が示唆される伏線

二回目を観ると、「あ、ここも!あそこも!」と伏線のバーゲンセール状態です。

  • プラハでの不可解な死:ジムが撃たれるシーン、よく見ると致命傷を負う瞬間がはっきり映っていません。
  • 情報漏洩の精度:あまりにもIMFのやり方を知り尽くしている。これ、身内のトップクラスじゃないと無理ゲーですよね。
  • 聖書からの引用:これが最大のヒント。ジムの行動範囲には常にこの影がありました。

スパイ史上最高の知能戦!聖書とメールのトリック

ここが本作で最も「へぇ〜!」ボタンを連打したくなるポイントです。イーサンがどうやって「師匠の裏切り」に辿り着いたのか、そのプロセスが美しすぎます。

1. コードネーム「ヨブ」とJob 3:14

イーサンがマックスと接触する際に使われたアドレス「Job 3:14」。これは単なる記号ではなく、旧約聖書『ヨブ記』の第3章14節を指していました。

なぜ「3章14節」なのか?
そこに記されているのは、「あるいは、自分のために廃墟を建て直した地上の王たちや、議官たちと共に(眠りについたであろうに)」という内容。かつて組織の英雄だったジムが、冷戦の終結と共に居場所を失い、自ら「廃墟(IMFの崩壊)」を作ろうとした皮肉。中二病ならぬ「ベテランスパイ病」的な悲哀を感じます。

開かれた聖書と「廃墟を建て直した地上の王たち」という一節から、組織の英雄だったジムの絶望を示唆する解説スライド

2. 決定打となった「聖書」という物証

イーサンがジムの生存を確信したのは、再会したジムが語る嘘ではなく、彼の手元にあった「一冊の聖書」でした。

証拠のポイント詳細内容意味すること
ギデオン協会の聖書欧米のホテルに備え付けられているもの。私物として持ち歩くのは不自然。
シカゴのドレイクホテルジムが以前滞在していたホテル。そのホテルの聖書を暗号表として流用していた。
ジムの過信「イーサンに疑われるはずがない」という油断。最高のスパイが、日常の些細な「癖」で正体を現した瞬間。

「The Drake Hotel, Chicago」と刻印されたギデオン協会の聖書と、ジムの些細な油断が露呈した瞬間をまとめた表形式のスライド

3. 心理的な罠:イーサンの脳内で完成したパズル

ジムと再会したシーン、ジムは必死に「キトリッジが真犯人だ!」と吹き込みます。 しかし、イーサンの頭の中では、ジムの話に合わせて「もしジムが犯人だったら?」という真実の映像がフラッシュバックします。

フラッシュバックで明かされる「死の偽装」

  • エレベーターに細工をして仲間のジャックを殺したのは?……ジム。
  • 霧の中でサラを刺し殺したのは?……ジム。
  • イーサンの前で血糊を使って死んだふりをしたのは?……ジム。

観客はイーサンの無言の表情から、彼が完全に「こいつ、真っ黒だわ」と確信したことを察する。この演出、何度見ても鳥肌モノです。

ジャックの死やサラの刺殺、ジムの自作自演のシーンが映画フィルム風に描かれ、イーサンがジムの裏切りを確信した瞬間を表現したスライド

裏切りが連鎖する物語構造

本作はジムだけじゃありません。登場人物のほぼ全員が「裏」の顔を持っています。

誰が味方で誰が敵なのか

グループ人物行動の動機・背景
新チームルーサー・スティッケル「ジャンク(ガラクタ)」と呼ばれた元エージェント。金で動くと言いつつ、最後は友情を取る本作唯一の癒やし(笑)。
新チームクリーガージャン・レノ演じるナイフ使い。実は裏でジムと繋がっていた、二重スパイ。
取引相手マックス情報の買い手。ビジネスライクで中立。イーサンとも平気で手を組むプロの武器商人。

イーサンを中心に、黒幕のジム、協力者のクレア、二重スパイのクリーガー、そして唯一の味方ルーサーを整理した最終的な人物相関図スライド

情報戦としてのミッションインポッシブル1

本作がアクション映画の枠を超えているのは、「銃よりも情報が武器」であることを徹底している点です。ラングレーのCIA本部に潜入するあの有名なシーンも、盗んでいるのは「物理的な物」ではなく「情報(データ)」ですからね。

🌙 ヨフカシの深夜の豆知識(うんちく)

さて、ここで眠気を飛ばすトリビアを一つ投入!

【実は、原作ドラマのファンからは「大ブーイング」だった!?】

この映画、もともとは人気ドラマ『スパイ大作戦』が原作ですが、ドラマ版でのジム・フェルプスは「絶対に裏切らない、高潔で完璧なリーダー」の象徴でした。そのため、映画版で彼を「裏切り者の黒幕」にした設定に対し、ドラマ版のキャストたちは猛反発!

特に、ドラマ版でジムを長年演じたピーター・グレイヴスは、「自分の演じたキャラクターが汚される」と出演オファーを断固拒否したそうです。さらに、相棒のバーニー・コリアー役を演じたグレッグ・モリスにいたっては、映画の試写会の途中で「これはジム・フェルプスじゃない!」と往年のドラマ版関係者からは、強い反発があったと伝えられている。ファンにとっては、まさに「ミッション:インポッシブル(不可能な裏切り)」だったわけですね(笑)。

ドラマ版のジムと映画版のジムを比較し、原作キャストのピーター・グレイヴスらが設定変更に猛反対したエピソードを紹介するスライド

まとめ:相関図を理解して再視聴する贅沢

「味方だと思っていた師匠が敵であり、追いかけてくる組織が実は正義だった」 この反転の構図こそが、第1作目にしてシリーズ最高傑作のひとつと言われる理由です。

再視聴で評価が変わるポイント

  • ジムとクレアのアイコンタクト:再視聴すると、「愛し合う夫婦」ではなく「獲物を狙うハイエナ」の視線に見えます。
  • ラングレーのシーン:クリーガー(ジャン・レノ)がわざとネズミを放ったのではないか?という疑念を持って観ると、さらにスリリングに。
  • 最後の握手:イーサンがジムの裏切りを確信した後の、あの氷のような表情……トムの演技力が光ります。

ヨフカシの独断評価

・スリル:★★★★★

・人間関係の複雑さ:★★★★★

・寝不足誘発度:★★★★☆

・ジムへのショック:★★★★★(ドラマファンは★100個分)

さて……解説を書いていたら、興奮して目が完全に冴えちゃいました。 もう一杯コーヒーを淹れて、今度は続編の『M:I-2』を観ようかな。ジョン・ウー監督の「鳩」を数えながら朝を迎えるのも、また一興ということで。

ジムとクレアの視線の変化やイーサンの表情など、再視聴時の注目ポイントと「ヨフカシの独断評価」をまとめた締めくくりのスライド

同志の皆さん、明日(今日?)の仕事に支障が出ない程度に、良い夜更かしを!🎬🌙

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